【高校受験】定員割れ=必ず合格?定員割れする理由と受験の際の注意点を解説
公開日:2025/06/20

こんにちは!四谷学院個別指導教室の古川です。
高校受験で定員割れと聞くと「絶対合格できるのでは?」と感じる方も多いでしょう。しかし、実際は定員割れしていても不合格になる可能性があります。また、定員割れの高校を受験する際は、クラス数の減少や統廃合のリスクなども考慮しておかなければなりません。
今回は、「定員割れ=合格」ではない理由や定員割れの背景、受験時の注意点をご紹介します。
目次
定員割れとは?定員割れが「必ず合格」ではない理由
定員割れとは、高校の指定する募集定員に対して受験者数が下回っている状態のことです。
例えば、100人募集しているにもかかわらず、70人しか願書を提出しなかった場合は、出願倍率(受験者数÷募集定員)が0.7になります。
募集定員よりも受験者数が少なく、出願倍率が1.0を切ると「定員割れ」として扱われます。
ただし、定員割れしているからといって、必ずしも合格できるわけではありません。
「この点数を超えていないと入学は認められない」という合格基準点(足切り点)を設定している高校もあり、合格基準点以下の場合は募集定員を満たしていなくても不合格となります。
基本的に、定員割れの場合は合格基準点を超えてさえいれば合格になるため、比較的入学しやすいでしょう。
なお、志望校が定員割れを起こしているかどうかは、それぞれの高校から発表される出願倍率で確認できます。
なぜ起こる?高校受験で「定員割れ」が発生する背景

高校受験を控えている方は、「定員割れ」と聞くと不安に感じる面もあるでしょう。では、なぜこのような状況が生まれるのでしょうか。その背景には、主に2つの要因があります。
少子化による受験者数の減少
根本的な要因として、少子化による受験者数の減少が挙げられます。
日本の少子化は進行しており、2023年の合計特殊出生率(1人の女性が一生涯のうちに産む子どもの数を表す指標)は過去最低、東京都にいたっては出生数も過去最低を更新しました。
さらに、中学校の卒業者数や高校の入学志願者・生徒数も減少傾向にあります。
特に地方では、都市部への若年層の流出も相まって、その影響が顕著に表れている状況です。
私立高校の人気上昇
私立高校は多様なカリキュラムを用意しており、公立高校よりもサポート体制や設備が充実している傾向にあります。
一方で、学費が高額なため、これまでは経済的な理由から公立高校へ進学した生徒も少なくありませんでした。
しかし、高等学校等就学支援金(返還不要の授業料支援)の制度改正により、2020年から支援額の上限が引き上げられ、私立高校の授業料が実質無償化となりました。
支援金制度には所得制限がありましたが、2025年4月からは9,100,000円の所得制限が撤廃され、2026年4月からは所得制限自体が撤廃されます。
また、支援額も私立高校の平均授業料である457,000円に引き上げられるため、支援金で授業料をまかなうことができれば、実質無償となります。
これにより、公立高校の定員割れはますます拡大すると考えられるでしょう。
定員割れの高校を受験する際のリスク
定員割れしている高校への受験を検討している場合は、以下のようなリスクがあることを把握しておきましょう。
クラス数や選択科目の減少、部活動の縮小
入学者が少ない状況が続くと、学校運営上の理由からクラス数や開講科目、選択科目ごとの人数が減少する可能性があります。
生徒数の減少は部活動にも大きな影響を与え、部員不足により活動が制限されたり、部活自体がなくなったりすることも考えられます。
将来的な統廃合のリスク
定員割れの状況が長期化・深刻化している場合は、将来的に近隣の学校と統廃合する可能性があることも考慮しておきましょう。
実際に、大阪府では3年連続で定員割れしている、かつ改善の見込みがないと判断された高校は、統廃合の対象になるという条例が設けられています。
後悔しないために!定員割れの高校を受験する前に確認すべきこと
「定員割れしているから」という理由だけで志望校を選んでしまうと、「やっぱりほかの高校にすればよかった」「自分が学びたいことに取り組めない」などと後悔してしまう可能性があります。
受験する前には、なぜその高校が定員割れしているのか、その背景にある理由(少子化、立地、評判など)をできる限り調査しておきましょう。塾の講師や学校の先生に聞いてみるのも一つの方法です。
また、資料やホームページを見るだけでは、得られる情報に限りがあります。入学後のミスマッチを防ぐには、学校説明会・相談会やオープンスクール、文化祭などに足を運び、実際の学校の雰囲気や在校生の様子、校舎・施設の状況を自分の目で確認することが大切です。
まとめ
定員割れを起こしている高校は、学校の合格基準点をクリアすれば合格となるため、比較的入学しやすいといえます。しかし、合格倍率は毎年変わり、受験する年に定員割れが起きるとは限りません。
また、合格基準点を下回ると定員割れを起こしていても不合格となるため、気を抜かず受験勉強に励みましょう。定員割れするかどうかよりも、自分が行きたいと思える高校を受験することが重要です。
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