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【千葉県公立高校】入試の仕組みを解説!学区制や国語の聞き取り問題とは?

最終更新日:2023/11/18


※この記事は約12分で読めます。

千葉県の公立高校入試は、「学区制」と「国語のリスニングテスト(聞き取り検査)」が特徴的です。

※参考:千葉県HP「高等学校入学者選抜情報」(教育委員会)https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/index.html

学区制とは

千葉県の公立高校の入試においては「学区制」が導入されています。学区とは、進学を認める範囲として決められた区域のことを指し、公立高校の普通科は原則として学区内の高校から選ぶことになります。地域によっては学区がなかったり、学区外の生徒の受験を認めていたりすることもあります。

千葉県の学区

千葉県立学校の全日制普通科の通学区域は、第1学区から第9学区まで9つに分かれています。全日制課程の普通科の県立高校は、自分が住んでいる学区と隣の学区にある高校から1校を選んで受験することができます。
また、全日制の課程の定時制や通信制の県立高校は、すべて県内の全学区から出願することが可能です。

なお、千葉女子高校と木更津東高校は、県内のどこの学区からも出願することが可能です。

学区一覧

学区該当する市町村出願可能学区
第1区千葉市第1,2,4,6,7,9区
第2区市川市・船橋市・松戸市・習志野市・八千代市・浦安市第1,2,3,4区
第3区野田市・柏市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市第2,3,4区
第4区成田市・佐倉市・四街道市・八街市・印西市・白井市
富里市・印籏郡内全町(酒々井町・栄町)
第1,2,3,4,5,6区
第5区銚子市・旭市・匝瑳市・香取市
香取郡全町(神崎町・多古町・東庄町)
第4,5,6区
第6区東金市・山武市・大網白里市
山武郡内全町(九十九里町・芝山町・横芝光町)
台1,4,5, 6,7区
第7区茂原市・勝浦市・いすみ市
長生郡内全町(一宮町・睦沢町・長生町・白子町・長柄町・長南町)
夷隅郡内全町(大多喜町・御宿町)
第1,6, 7,8,9区
第8区館山市・鴨川市・南房総市・安房郡内全町(鋸南町)第7, 8,9区
第9区木更津市・市原市・君津市・富津市・袖ケ浦市第1,7,8,9区

学区配置図

【出典】千葉県 県立高校ナビ
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/seisaku/miryoku/gakku/index.html

志願者の受験可能学区(全日制普通科)

千葉県の隣接県協定とは

千葉県では、学区の特例として隣接県協定が結ばれており、お互いの隣接学区内の公立高校に出願することができます。(千葉県教育委員会・茨城県教育委員会・埼玉県教育委員会)これにより、千葉県の学区のうち第2区・第3区・第4区・第5区に住んでいる場合には、埼玉県・茨城県の一部の高校に出願することが可能です。 なお、年度によって志願できる高校、学科等が変更になる可能性がありますので、最新情報を確認しましょう。

(出典)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/seisaku/kaikaku/miryoku/gakku/rinsetsuken.html

(参考)学区制と学校選択制の違い

学区制に対して、学校を自由に選べる制度が「学校選択制」です。学校選択制には以下のような種類があります。

自由選択制市区町村内のすべての学校のうち、希望する学校に就学できる
ブロック選択制市町村内をブロックに分け、そのブロック内の希望する学校に就学できる
隣接区域選択制従来の通学区域は残したままで、隣接する区域内の希望する学校に就学できる
特認校制従来の通学区域は残したままで、特定の学校について、通学区域に関係なく、市町村内のどこからでも就学できる
特定地域選択制従来の通学区域は残したままで、特定の地域に居住する者について、学校選択を認められる
その他上記以外

学区制には、地域密着のほか学校選びの際に迷いが少ないというメリットがありますが、希望する高校が学区外であれば通うことができず、また学区が異なれば家から通いやすいとしても通えないというデメリットがあります。
一方、学校選択制では通学の利便性や本人の希望を踏まえた学校選びができるというメリットがありますが、人気のある学校に受験生が集中したり、遠方の高校であれば通学時間が長くなってしまったりするというデメリットがあります。

近年では、学区の廃止・再編する自治体が増えていますが、その背景には、学校選択の機会拡充の動きや少子化などの影響があります。近県では、東京都は2003年度 、埼玉県は2004年度、 神奈川県は2005年度から学区制が廃止 されています。

千葉県公立高校入試の選抜方法

千葉県立高校の入試においては、「学力検査」「調査書」「学校設定検査」で合否判定がされます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

学力検査

5教科を2日間に分けて実施します。

実施日実施教科
1日目国語・数学・英語
2日目理科・社会

試験時間は英語60分、そのほかの教科は50分です。

配点は原則各教科100点満点、合計500点満点ですが、高校の学科によっては傾斜配点を採用している場合もあります。

 国語社会数学理科英語5教科
令和5年度本検査47.954.547.660.747.6257.7
令和4年度本検査47.756.351.552.758.7266.7
追検査50.650.338.645.146.9197.6
令和3年度本検査52.857.759.354.661.7286.2
※令和3年・令和5年度の追検査は受験者数が少ないため、平均点のデータなし

国語の聞き取り検査

千葉県立高校の入試において特徴的なのは、国語の試験の冒頭で行われる「聞き取り検査」です。他の都道府県の高校入試と同様の問題に加え、大問1が「聞き取り検査(聞き取り問題」になっています。
聞き取り問題は、放送で行われ、問いも放送されます。放送に準じた資料が問題用紙に添付されており、放送の指示に従って試験が行われます。全国でも珍しい独特の試験です。

過去の出題構成

出題内容令和3年令和4年令和5年
漢字の読み書き
説明的文章
小説
随筆   
古典
韻文   
融合文   
聞き取り
聞き取りの作文   
国語知識  
文法
作文
表現・会話発表   
●…3問以上出題 ◎…2問出題  ○…1問出題

対策方法

国語の各大問の平均正答率は約50%だったのに対して、大問1の聞き取り問題の正答率は72.2%と高く、難易度は高くないと言えます。そのため、大問1の聞き取り問題は確実に得点しておきたい問題です。
放送はメモを取りながら聞いていく必要があります。メモする内容は、話題・発言者・要点などで、1回しか放送されないためできるだけ短い言葉で書き留めるようにします。そのメモを見返して内容を思い出せるよう、ポイントとなる言葉を漏らさずキャッチできるよう練習をしていく必要があります。
具体的には、過去問などを利用して問題形式やメモの取り方に慣れていくと同時に、普段から先生などの話をよく聞き、「話のポイントは何か?」ということを意識して考えられるとよいでしょう。

【参考】過去問題が確認できるサイト
▼千葉日報
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/1030714

調査書(評定)

調査書いわゆる評定平均は9教科5段階で、高校1年から3年までの数字の合計となります。135点満点で、ここに各校で定めた「K値」をかけて調査書の比重を調整します。

合否判定を左右するK値とは

Kの数値は原則として1とし、各高等学校において学校の特色に応じて0.5以上2以下の範囲内で別に定めます。学力検査を調査書よりも重視する場合にはK値が低く、調査書を重視する場合にはK値は高くなります。

高校ごとのK値

高校名K値
県立千葉0.5
千葉女子1
千葉東0.5
船橋啓明2
出典「教育委員会HP K値一覧表(PDF)」一部抜粋

学校設定検査「面接試験」など

各高校で行われる学校設定検査は、以下から1つ以上が実施されます。

面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題

この中から面接を行う学校がほとんどです。試験2日目の学力検査終了後に実施されます。

千葉県立高校の出題方針

千葉県の県立高校入試の出題方針は、教科ごとに公開されています。

【引用元】https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r6/0719houshin.html

(1)国語

ア 学習指導要領に基づき、国語の基礎的・基本的な知識及び技能を身に付けているかをみることができるようにする。
イ 様々な文章について、内容を的確に理解し、書き手の伝えたいことなどを考察する力をみることができるようにする。
ウ 自分の立場や考えとその根拠が明確になるように、複数の情報を整理し判断する力をみることができるようにする。
エ 言葉による見方・考え方を働かせ、自分の言葉で考えを適切にまとめたり、相手に的確に伝えたりする力をみることができるようにする。

(2)数学

ア 学習指導要領に基づき、数学的な見方・考え方を働かせながら行う数学的活動を通して、数学的に考える資質・能力を身に付けているかをみることができるようにする。
イ 数学の基礎的・基本的な知識及び技能を身に付けているかをみることができるようにする。
ウ 数学を活用して事象を論理的に考察する力、統合的・発展的に考察する力及び表現する力をみることができるようにする。
エ 問題解決のために、数学を活用して粘り強く考える力をみることができるようにする。

(3)英語

ア 学習指導要領に基づき、英語の基礎的・基本的な知識及び技能と、英語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、理解したり表現したりする力を全領域にわたり身に付けているかをみることができるようにする。
イ 「聞くこと」の領域では、音声を通して、対話文やまとまりのある文章から話し手の意向や大切な事柄を聞き取り、適切に判断して答える力をみることができるようにする。
ウ 「読むこと」の領域では、日常的、社会的な話題に関する文章や図表、イラスト等から、必要な情報、概要や要点を読み取り、適切に答える力や、読み取った情報を基に思考し、判断する力をみることができるようにする。
エ 「話すこと[やり取り]」及び「話すこと[発表]」と「書くこと」 の領域では、日常的、社会的な話題について、基本的な語句や文を用いて話したり伝え合ったりする力及び自分の考えなどを英語でまとめ、適切に書く力をみることができるようにする。

(4)理科

ア 学習指導要領に基づき、第1分野、第2分野からバランスよく出題し、学習の成果を総合的にみることができるようにする。
イ 自然の事物・現象についての基礎的・基本的な事項の知識や、観察、実験の技能を身に付けているかをみることができるようにする。

ウ 観察、実験のデータ及び図や表などを活用し、理科の見方・考え方を働かせ、結果を分析して解釈する力、そしてそれを表現する力をみることができるようにする。

エ 日常生活の中で起こる現象や身近な事物について進んで関わり、科学的に探究しようとしているかをみることができるようにする。

(5)社会

ア 学習指導要領に基づき、地理的分野、歴史的分野及び公民的分野からバランスよく出題し、学習の成果を総合的にみることができるようにする。

イ 基礎的・基本的な知識及び技能を身に付けているかをみることができるようにするとともに、現代社会の諸課題に対する理解の程度をみることができるようにする。
ウ 統計や地形図、写真などの諸資料を活用し、社会的な見方・考え方を働かせ、社会的事象を判断・分析する力、そしてそれを表現する力をみることができるようにする。
エ 現代社会の諸課題の解決に向けて、多面的・多角的に考察する力や筋道を立てて思考する力をみることができるようにする。

千葉県立高校の対策方法

千葉県の県立高校入試の出題方針を踏まえ、特に鍛えていきたい3つの力についてピックアップして解説します。

読解力

一言でいえば、様々な問題文や複数の資料を読み解く力です。
入試問題では、複数の資料、図などが出題され、それらを正確に読み取る力が求められます。

思考力

内容や意見を適切に判断する力のことを言います。
なお、学校設定検査のうち、その他の検査として実施する「思考力を問う問題」が選択可能です。「基礎的・基本的な知識及び技能を十分に活用して、様々な事柄を関連付けて、より正確に理解する力と、より深く思考する力を重視する」という方針で出題され、英語・国語・数学の3教科で構成され、試験時間は60分、配点は100点満点です。

(1)国語
文章を筋道立てて細部まで読み取る力と、そのことについて他者に正しく明確な表現で伝える力をみることができるようにする。

(2)数学
数学的に問題をとらえ、論理的に考察する力、統合的・発展的に考察する力及び表現する力をみることができるようにする。

(3)英語
英語のコミュニケーションについて、発信されている内容を正しく理解し、論理的、批判的に思考し、判断する力、表現する力をみることができるようにする。千葉県教育委員会ホームページ

記述力

簡潔にまとめて、相手に伝わりやすく表現する力のことを言います。
「自分の考えをまとめて文章で書く」という力は、特に苦手とする生徒が多く見られます。普段から新聞やニュースに興味を持ち、世の中の動きについて、教科知識の枠を超えて、自分の意見や考えをまとめる訓練が有効でしょう。もちろん、やみくもに書けばいいというわけではなく、「的確に表現する・相手に伝えたい」という気持ちは不可欠です。学校や塾の先生に、自分の書いた文章を直接、添削指導してもらえる環境があればベストです。書きっぱなしではなく、添削指導を受けることで記述力・表現力を高めることに直結します。

四谷学院のサポート

四谷学院では、個別指導を通して学習理解を深めるだけでなく、先生が直接あなたの答案を丁寧に添削します。だから、千葉県の高校入試対策もバッチリ。
四谷学院の個別指導は、1対1または1対2の完全個別指導形式で授業を行っています。苦手な科目・分からないところは放置しない!確実に理解できるようにすることで、学力を飛躍的にアップさせます。「分からないところ」までさかのぼって、「できる」を積み重ねていくから、勉強が苦手お子さんでも学習習慣が身につきます。柔軟なカリキュラムで塾と部活・習い事の両立もスムーズです。

まとめ【千葉県立高校入試】どんな対策が必要?

千葉県の県立高校の入試問題について、今回は解説しました。
特に国語の「聞き取り調査」は、他県には見られない独自性の高い問題なので、対策に不安を感じるかもしれませんが、しっかり情報を収集し、早めの対策ができていれば心配することはありません。特別な問題だから、と言って過去問や模試ばかりに取り組んでも、土台となる基礎学力を身についていなければ学力は伸びません。中学校の定期テストをないがしろにせず、基礎学力を磨くことが、合格への近道です。
そのほかの学力検査についても、同様のことが言えます。中学校までに習得した知識・技能を教科横断的に活用して、問題を解決する、思考力・判断力・表現力等が求められます。

千葉県立高校の入試対策を検討中であれば、できるだけ早いうちに、中学校での学習内容をしっかりと学習しておきましょう。


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