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コロナウイルスの影響による休校で学力格差が広がる?

最終更新日:2020/05/22

新型コロナウイルスの影響で休校要請が続くなか、多くの受験生のみなさんが学習面で不安を抱えていることかと思います。

そこでこの記事では、コロナによる休校中に全国の学校がおこなっている学習サポートの実情と、学校再開後に生じる可能性の高い問題を解説します。休校中に自宅でできる学習対策も紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

コロナによる休校中に学校がおこなう学習サポートの実情

新型コロナウイルスによる休校中の学習支援内容は、都道府県や学校側の環境によって大きく異なる傾向があります。

最も多いのは「紙の教材」を使ったアナログな支援

文部科学省の調査によると、2020年4月時点ですべての教育委員会が実施しているのは、教科書や紙の教材を活用した学習支援です。

例えば、ある地域の市立小学校では、教師がプリントを作成し、各家庭に配布するタイミングで回収したものを採点するといった流れで支援を進めています。そして、間違いが多かった問題については、先生が解説動画の独自配信をおこない、必要に応じて個別に電話指導をするといった手厚い支援もおこなわれているようです。

デジタル技術による学習サポートができる学校は意外に少ない

一方、テレビやインターネットなどを活用した学習支援をおこなう学校は、以下のように非常に少ない実情があります(2020年4月現在)。

・テレビ放送を活用した学習支援:24%
・教育委員会が独自に作成した授業動画の活用:10%
・同時双方向型のオンライン指導:5%

指導方法にこれだけの開きが出る理由は、テレビ放送やインターネットなどを使ったオンライン学習の場合、動画を作る側と見る側の双方に準備が必要だからです。

例えば、全世帯が視聴できるケーブルテレビのある福島県西会津町では、テレビで先生の収録した授業を放送することで、タブレット端末などを持たない生徒でも動画視聴をできるようにしています。

これに対して、ケーブルテレビのない地域の場合は、各家庭のインターネット環境整備やタブレット端末の配布などを完了させない限り、動画配信などのオンライン学習に移行できない問題があるのです。

学校再開後に懸念される教育現場の問題とは?

新型コロナウイルスによる感染拡大が落ち着き、学校が再開した後で露呈するのが、学力格差の問題です。

例えば、少し前に東京都内の公立学校でも始まった動画配信について考えてみましょう。この仕組みと、先生と生徒が互いの顔を見ながら進める従来の授業を比べてみます。そうすると、動画配信には「授業を聞いただけで理解できる人」と「授業後に質問をしなければ理解できない人」の学力に開きが生じやすい実情が見えてくるのです。

また、4月7日に緊急事態宣言が発令された7都府県のなかには、学校側の準備がなかなか整わず、全児童に教科書を配り終えたのが4月21日という教育委員会もありました。

こうした実情は、「新しい教科書で学習できた人」と「教科書以外の教材で自宅学習を余儀なくされた人」の混在によって、全国に学力格差が生じやすくなっていることを意味しています。

ちなみに学力格差の問題は、一度試験を受けた上で入念な準備のできる浪人生と、これから受験対策を始める現役生の間にも生じる可能性が高いと言われています。

コロナによる休校中、自分でどんな学習をしたら良い?

新型コロナウイルスによって学校が休校になったら、以下の姿勢で日々の生活や勉強に取り組むのが理想となります。

規則正しい生活を続ける

再開した学校で今までどおりに授業に集中するには、休校中も普段と同じ規則正しい生活を続けることが重要です。

両親が在宅勤務をする日中になかなか勉強に集中できないときには、早朝に自宅学習を終わらせることを習慣化してみてもいいでしょう。ちなみに、睡眠によって脳がリフレッシュされる早朝は、学習効率の高まる「脳のゴールデンタイム」とも言われています。

与えられた課題はすべてやる

再開後の学校では、オンライン授業で説明した内容を「生徒は知っているもの」として次の授業を進めていく可能性が高いです。

したがって、学校から配布されたプリントなどの課題は、必ず回収日までに終わらせるようにしてください。不明点や疑問点が出てきた場合は、その内容を放置せず、なるべく早めに先生に相談したほうがいいでしょう。

復習期間と捉える

学校側でオンライン授業などの準備が整わず、なかなか新学期の授業が始まらなくても焦りは禁物です。こうした時期には、今まで学校で習った内容の復習を徹底的におこなってみてください。

入念な復習によって基礎固めができていると、3年生で学ぶ内容も頭に入りやすくなります。また、難関校受験に向けて応用力を高めるためにも、基礎は早めにマスターしておく必要があるでしょう。

今できることに取り組もう

新型コロナウイルスによる休校は、教育現場に学力格差の問題をもたらすと考えられています。こうした状況下で受験を目指すみなさんは、まず規則正しい生活を続けながら「継続は力なり」を胸に、今できる自宅学習に取り組んでみてください。

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