大学入試の英語に外部試験が導入!利用できる試験と選ぶポイント
最終更新日:2019/08/01
2020年度から、大学受験の受験方法がこれまでと大きく変わります。センター試験から大学入学共通テストと名称が変わりますが、その中でも新たな取り組みがスタートするのが英語の外部試験導入です。これから受験する方に向けて、利用できる外部試験と選ぶポイントについてご紹介します。
目次
2020年度から英語は4技能評価に変わる
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、すべてマーク式のセンター試験とは異なり、一部の科目において記述問題が追加されます。また、これまでのセンター試験で必要だった知識・技能に加え、共通テストからは思考力や判断力、表現力が問われるのも大きな変更点です。
英語では、従来の「聞く・読む」という試験内容に加え、新たに「話す・書く」の4技能評価に変わります。背景にはグローバル化が進むなかで、英語でのコミュニケーション能力が必要と判断されたことが挙げられます。
しかし、リスニング問題は一斉に実施できる反面、「話す」試験を集団で実施するのは現実的に難しいのが実情です。その打開策として、共通テストの英語は現行と同様に「聞く・読む」部分はマークシート形式で試験を行い、「話す・書く」の項目は外部試験(英語の民間資格や検定試験)を活用する方法を実施します。
大学入試で利用できる英語外部試験の特徴
共通テストで利用できる外部試験は、「大学入試英語成績提供システム」の要件を満たした6種類の試験を受験する必要があります。成績提供システムでは、試験のスコアをCEFR(外国語能力を評価する枠組み)という基準に換算して評価する仕組みで、合格ラインの目安となるのが「CEFRのA2~B1レベル以上」となっています。
そこで、6種類の試験の特徴や目的、CEFRのA2~B1レベル以上に該当するスコアは次の通りです。
【ケンブリッジ英語検定】…実生活で起こり得る状況において英語でコミュニケーションができるかを測定。必要スコアは「A2 Key:120~150」・「B1 Preliminary:120~170」
【英検】…英語圏の社会生活に必要な英語の理解と使えるかを測定。必要スコアは2級・準2級
【GTEC】…アカデミックやジェネラルな状況における英語コミュニケーション能力を測定。必要スコアは「Core:690~840」・「Basic:690~1080」・「Advanced:690~1189」
【IELTS】…英語でのコミュニケーションが必要な場所での英語力を測定。必要スコアはA2該当なし・B1:4.0~5.0(0.5刻み)
【TEAP】…大学で行われる授業などで使用される英語を理解したり、考えを英語で伝えたりできるかを測定。必要スコアはA2:135~224・B1:225~308
【TEAP CBT】…TEAPの発展系で、思考力・判断力・表現力に重きをおいた英語運用能力を測定。必要スコアはA2:235~415・B1:420~595
【TOEFL iBT】…高等教育機関で英語を用いて学業を修める英語力があるかを測定。必要スコアはA2:該当なし・B1:42~71
【TOEIC】…オフィスや日常生活における英語のコミュニケーション能力を測定。必要スコアはA2:625~1145・B1:1150~1555
英語の外部試験を選ぶポイント
種類によって特徴やスコアが異なる外部試験は、以下のポイントを踏まえて選びましょう。
大学の入試要項
外部試験の活用方法は「出願資格・加点・出願資格+加点」という3パターンがあり、どの方法を利用するかは大学側の方針に委ねられます。そのため、志望校がどのように外部試験を活用するかを、早い段階で確認しておくことが重要です。特に、必要なスコアを知っておくと勉強の目安が立てられるので、大学受験をより有利に運ぶことができるでしょう。
難易度
CEFRレベルが同じだとしても、実際の問題の難易度は、試験によって異なるのが特徴です。
たとえば、B1の英検2級は高校中級から卒業程度のレベルである一方、同じB1のTOEFL iBTやIELTSはA1・A2レベルが該当しないため、高校卒業程度から大学上級程度の難易度と考えられます。また、試験問題の特徴や傾向も異なるので、自分のレベルに合った試験を受験しましょう。
解答方式
試験の形式は多様化が進んでおり、パソコンを使った試験が増えています。普段からパソコンを使っていれば問題ありませんが、慣れていない人は従来の紙タイプの方が受験しやすいでしょう。難易度だけでなく、解答方式も確認しておくと安心です。
受験のしやすさ
試験によって、受験料の金額や実施回数、受験会場などの条件が異なります。必要なスコアが1回で取れない可能性も否定できないため、受験しやすい試験を受けるのがおすすめです。また、学校で受験できる「英検」は、90%以上の大学で採用されています。どの試験を受けるか悩んだ場合は、英検を受験しておくといいでしょう。
留学の可能性
大学入学後に留学を考えている場合、海外の大学受験で利用できる試験を選んでおくのがおすすめです。汎用性が高いTOEFL iBTかIELTSを受験しておくといいでしょう。また、海外で働きたい場合は、ビジネスシーンでの英語力が問われるTOEICを受験するのも1つの手です。
英語の外部試験は早めの対策が肝心!
2020年以降の大学入試を見越して、なるべく早い内に外部試験対策をする必要があります。ただし、大学によって活用方法や合格ラインとなるスコアが異なるため、受験要綱を確認してから外部試験を受験しましょう。試験によって特徴やレベルも違うので、受験のしやすさや難易度、今後の展望も踏まえて試験を選ぶことが大切です。
さらに効果的に外部試験対策を行いたい場合は、豊富な受験情報を持つ予備校に通うのも1つの方法です。
四谷学院では基礎からきめ細かい指導が受けられるので、実践的な試験対策が取れるでしょう。2020年以降に受験する方は、四谷学院の説明会でぜひご相談ください。
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