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新元号・令和の由来と意味とは?出典元の万葉集「梅花の歌」を解説

最終更新日:2019/06/21

2019年の5月1日に皇太子徳仁親王が天皇に即位し、元号が平成から令和に改められました。元号はこれまで中国の古典からの出典でしたが、令和は日本の古典である「万葉集」が出典元であることも大きな話題となった1つの要素です。そこで、万葉集と令和が生まれた出典元の「梅花の歌」、令和に込められた意味について詳しく解説します。

新元号の出典になった万葉集とは?

万葉集は、現存する最古の和歌集です。成立時期は不明ですが、奈良時代には現存する形になったと考えられています。「万葉」の意味は、「よろづの言の葉」や「多くの歌を葉に例えた」、「永久(=万葉)に歌集を残すため」など諸説あるようです。

万葉集は約350年という長い歳月に渡り、約4500首もの和歌が収録されています。全体の9割は短歌が占めていることと、「歌は身分を問わない」という考えから、天皇や皇族、歌人、農民などの一般庶民などの幅広い階層の人々が詠んだ和歌を収めているのが大きな特色でしょう。多くの人々が歌を盛んに詠んでいたのは、当時の日本が独立国家を目指していた時期という背景もあります。

そして、収録されている和歌は、以下の3つの種類に分類されます。

  • 相聞(そうもん)…親しい相手に関する歌で、恋愛の歌が多い
  • 挽歌(ばんか)…人の死に関連する歌
  • 雑歌(ぞうか)…相聞、挽歌以外の和歌すべて

また、万葉集は全20巻あり、巻ごとにテーマが決められているのも特徴の1つです。たとえば、宮廷、大宰府、四季、旅と伝説、恋の歌など、実にバラエティーに富んでいます。

令和の出典元「梅花の歌」とはどんな歌?

令和の出典元となったのが、第5巻に収録している「梅花の歌(梅花歌三十二首并せて序)」から引用されました。引用した部分の本文と書き下し文、現代語訳は次の通りです。

<原文の引用部分>
初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香
<書き下し文>
初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す
<現代語訳>
新春の好き月、空気は美しく風は柔らかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉の如き香りを漂わせている

作者は、諸説あるのですが一般的には飛鳥時代から奈良時代にかけて活躍した歌人「大伴旅人(おおとものたびと)」といわれています。旅人の家で梅の花を鑑賞する宴で詠まれた歌で、梅の開花による春の訪れや、梅の美しさと香りの良さを表現しているのが特徴的な歌といえます。

令和が持つ意味とは?

日本の元号は従来、中国の古典から出典していましたが、令和はなぜ万葉集が出典元になったのでしょうか?また、令和に込められた意味を含め、令和が誕生した経緯について見ていきましょう。

日本の古典が出典元になった理由とは?

日本の古典を由来とした理由は、「日本が持つ四季折々の自然や文化を、後世に残したい」という首相の想いによるものといわれています。
また、万葉集にはさまざまな階層の人々の歌が収められていることから、「豊かな文化と伝統を象徴している」という首相の考えも理由の1つです。

令和に込めた意味

令和に決定した際の首相談話に、令和に込めた意味が表れています。
「春の訪れを告げる梅の花のように、明日への希望と共に、一人ひとりが大きく花を咲かせられる日本でありたいとの願いを込めた」

このように、今後の日本という国が、一人ひとりが希望を持てる、より良い国になってほしいという願いが受け取れます。

「令」の由来と意味

万葉集の原文を見ると令和という単語は存在せず、万葉集から「令」の一文字を取って作ったことがわかります。なぜ令という文字を取ったのかというと、本文にある「令月」の字が持つ意味が関係しているのです。
令月の意味とは、「何事をするのも良い月、めでたい月」であり、新しい時代の幕開けとしてふさわしいと判断されたと推測できます。
また、「令」の文字には、立派、清らか、めでたい、神のお告げなどの意味があることも選ばれた要因かもしれません。

「和」の由来と意味

「和」という文字は元号でよく使われており、令和を含めると、これまで20回元号に採用されています。平成の前の昭和にも含まれているので、馴染みがある文字でしょう。

「和」の文字の意味は、やわらぐ、おだやか、なごやか、のどか、などがあり、平和で優しい印象が特徴的です。「仲良くなる」という意味もあることから、令和に込められた意味を表現するのに最適な文字が選ばれたといえます。

新元号・令和の由来をきっかけに、古典に触れてみよう!

最近で大きな話題となった新元号「令和」は、日本の古典である万葉集が出典元です。文字一つひとつに意味を持って付けられた令和は、一人ひとりが希望を持ち、花を咲かせられる国にしたいという願いが込められています。また、令と和はそれぞれ意味がありますが、どちらも新しい時代への願いにふさわしい文字といえるでしょう。

また、出典元である梅花の歌の意味を知ると、古典に興味を持つきっかけになるかもしれません。万葉集には膨大な歌が収録されているので、勉強とは考えず、楽みながら古典に触れてみてはいかがでしょうか?

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