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東大合格で100万円支給?驚くべき鹿児島県伊佐市の取り組みとは?

  公開日:2018/05/23

こんにちは。四谷学院の古川です。

少子化の影響により、小・中・高校の生徒は減り続け、全国的に学校統廃合が進んできています。

そんななかで、定員割れが続く地元の高校を再生するため、旧帝大の合格者に最大100万円の報奨金を支給するという、驚くべき施策に取り組んでいる自治体があります。

驚愕の報奨金制度とは?

2014年11月、鹿児島県伊佐市が、定員割れが続いている地元の県立大口(おおくち)高校の入学者を確保するための報奨金制度を導入し、大きな話題となりました。

この制度は、東京大学、京都大学、九州大学など7つの旧帝大と大学医学部、早稲田大学・慶応大学などの難関私立大の合格者には100万円、それ以外の国公立大や、それに準ずる私大の合格者には30万円を交付するというもので、入学金でも留学費用でも、使途は自由という特徴があります。

 

志願者を増やすための策

大口高校への中学3年生の志願者が減ったことを受け、県教育委員会が、定員の3学級から2学級への移行を通告したことが、報奨金制度の導入を決めた背景にあるようです。

伊佐市の隈元新(くまもとしん)市長は、県教委と話し合い、3クラス編成が可能な81人以上になることを条件に1年間の猶予を引き出しました。

それまでに志望者をどうやって増やすかを考え、思いついたのが報奨金を出すという制度だったのです。

 

地域を活性化するためでもある

報奨金制度は臨時市議会で賛成多数で可決されましたが、直後から「お金で釣る教育はいかがなものか」と批判が殺到。有名な教育評論家もテレビで酷評するなど賛否両論が巻き起こり、大きな話題となりました。

しかし隈元市長は、高校の統廃合は地域にとって死活問題だという旨の発言で、批判的な意見に反論しています。

高校が廃校になると、利用者が減ることによる公共交通機関の衰退や、文房具店やスポーツ店、飲食店の売り上げの激減など、街の経済は大きな影響を受けてしまいます。

過疎化が進む地域では、1つの高校が廃校になるだけでも街から活気がなくなり、衰退が加速するため、教育インフラの維持は自治体にとって死活問題となるのです。

そうした状況を食い止めるためにも、隈元市長は、座して消滅を待つのではなく、報奨金を交付することで高校の入学者を確保するという施策を打ち出したのです。

 

報奨金制度の成果

報奨金制度の導入後、市外からも成績優秀な生徒が志望変更で入学するなど、進学希望者は増加しており、2016年には、初めて100万円の報奨金を受け取る生徒(九州大理学部に合格)が出るなど、支援策は着実に成果を上げているようです。

合格した生徒の保護者からは、「家計が助かる」などの感謝の声が寄せられているとのこと。

家庭の経済的な理由で県外の大学への進学をあきらめたり、私立大学の受験をためらったりする人は少なくありません。

そういう生徒にとっては、こうした報奨金制度は非常にありがたいものであることは間違いないでしょう。

今後は東大や京大合格者も出て、いずれは実績だけで県内外から多くの入学希望者が集まるようになるかもしれません。

全国で同じ悩みを抱える高校や自治体は多いので、伊佐市の取り組みがモデルケースになる可能性もあります。

今後も伊佐市の取り組みに大注目です。

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