スマホ使用可! 新しい入試方式の登場が意味することとは?
公開日:2021/02/12
2020年度は、大学入試に今までにない大きな動きがありました。それは、スマートフォン(以下スマホ)やタブレットなどの持ち込みを前提とした入試の登場です。
これまでの入試では、不正を防ぐためにスマホだけではなく従来型の携帯電話の使用も禁止しているケースがほとんどでした。しかし、今やスマホをはじめとする情報機器を使えるのは当たり前で、むしろ積極的に使いこなすことが求められる時代です。
では、この時代の変化に対応した新しい入試方式の登場は、いったい何を意味するのでしょうか。 この記事では、新しい入試方式で予定されている選考方法の詳細のほか、スマホ持ち込み入試を導入した学校側の意図を解説します。
目次
入試でスマホが使用可能に? 新しい入試方式の登場
2020年2月、日本で初めてスマホやタブレットの使用を前提とする入試が、都内の中学校で実施されました。翌年度には、スマホ持ち込み可・検索自由という新形式の入試を実施する大学も登場。
ここでは、実際におこなわれた試験の内容や、予定されている選考方法の詳細を見ていきましょう。
日本初のスマホ持ち込み入試は私立中学校で
日本初のスマホ持ち込み入試を実施したのは、東京女子学園中学校です。複数ある入試タイプの一つでしたが、初の試みとして多くのメディアに取り上げられました。
対象教科は算数1教科で大問数は3問、うち1問はWeb上での解答が求められているものでした。単なる知識だけでは解けず、外部情報を参考にしなければならない問題も出題されており、知識偏重型と批判されがちな従来型の入試に一石を投じるものとなりました。
2020年度には産業能率大学がスマホ持ち込み入試の実施を発表
東京女子学園中学校で画期的な入試が実施された翌年度、今度は産業能率大学がスマホ持ち込み可・検索自由の“一般選抜未来構想方式”の実施を発表しました。
対象は、経営学部経営学科・経営学部マーケティング学科・情報マネジメント学部現代マネジメント学科の3学科で、定員は各5名。
選考を受けるためには、まず、大学入学共通テスト3教科(国語・英語必須、数学・地理歴史・公民・理科から1科目選択)で250点以上得点することが求められます。そして、事前記述課題と試験日当日に記述する未来構想レポートの総合評価で、合格者が決定します。
未来構想レポート作成時には、スマホやタブレットPC、ノートパソコン、電子辞書いずれか1台のみ持ち込みが許可され、検索を自由におこなうことが可能です。そして、総合評価では、未来構想レポートの評価を重視することを発表しています。
知識の有無ではなく情報の活用能力が問われている
いち早く新しい方式の入試を導入した東京女子学園中学校では、スマホ持ち込み入試を「問題を理解し、解答を得るために最適な情報を収集しそれを分析する、その過程を測るもの」としています。
一方、産業能率大学では、新方式の入試で「知識を覚えるだけでなく、知識を活用し、未来を創造できる人材を送り出したい」としています。
共通点として見えてくるのは、知識量ではなく情報の活用力や思考力を問いたいという学校側の意向です。
これまでの入試は、知識を詰め込んで1点でも多く獲得した学生が合格を勝ち取る、という形式のものがほとんどでした。しかし、詰め込んだ知識が、のちの社会人生活で活かされるかどうかはまったくの別問題です。
変化が激しく、先行きが見通せないこれからの時代に対応するためには、知識や経験を蓄積することに加え、情報を取捨選択・活用する能力が必要となります。不安定で不確定な時代に活躍できる人材を育てる目的で、今後はこのようなユニークな入試方式がスタンダードになるかもしれません。
時代の変化にともない入試は多様化!最新の動きをチェックしよう
知識は、社会を生き抜くために欠かせないものです。しかし、知識の有無や知識量だけで、活躍の場が決まるわけではありません。情報化が進むこれからの時代は、得られた情報を活用する能力がより一層求められます。スマホ持ち込み入試の登場は、そのような時代の変化の表れといえるでしょう。
社会のニーズに合わせ、今後もスマホ持ち込み入試を導入する大学は増加すると考えられます。このような最新の入試情報をもらさずチェックしましょう。
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